こんにちは!アメッコ(@amecandrops)です。
「サクマ式ドロップス」と「サクマドロップス」。
この2つ、実は製菓会社が違うってご存知でしょうか?
え?え?何が違うの?
名前が微妙に違うでしょ。販売している会社が違うんだよ。
今日は私達の身近にある、サクマ式ドロップをメインに「サクマ式ドロップス」と「サクマドロップス」の誕生秘話について詳しくご紹介していきます。
「サクマ式ドロップ」と「サクマドロップ」
こちらが「サクマ式ドロップス」です。
よく見かけますよね。
そしてもう一つがこちら↓
こちらが「サクマドロップス」です。
こちらの緑の缶もよく見かけますよね。この2つ、実はデザインが違うだけ、みたいな平和な違いではないんです。
この2つは作っている製菓会社が違います。なぜ名前がそっくりなドロップが2つ誕生することになったのか、詳しくまとめました。
「サクマ式ドロップス」と「サクマドロップ」誕生秘話
サクマ式ドロップの誕生は1908年
サクマ式ドロップは、1908年(明治41年)今から117年前に、佐久間惣治郎という方が開発、販売を始めました。
千葉県で和菓子屋の製造をしていた佐久間惣治郎は、外国製のドロップに魅せられ、自分の手でも作り出せないかと研究に研究を重ねて、やっとの思いで完成させたのでした。
佐久間惣治郎が生み出した製法は「サクマ式製法」と呼ばれ、新鮮な味覚と風味を生む独特のものでした。この製法は佐久間惣治郎が特許を取得しています。
しかしその後、戦争は激化していき、また佐久間惣治郎は帰らぬ人となってしまいました。
佐久間惣治郎が逝去後、山田弘隆が社長就任するも廃業
時代は太平洋戦争の真っ只中へ。混乱の中、佐久間惣治郎は逝去。
中心的な柱を失った会社は少しずつ経営が傾き始めます。この頃、なんとか再興できないものかと奮闘した山田弘隆が1938年(昭和13年)社長に就任します。
しかし、ドロップを作る原材料もままならない中、東京池袋の本社工場、大阪工場、海外の満州工場は廃業に追い込まれてしまいました。
終戦後の1948年(昭和23年)佐久間製菓再興
一旦は廃業に追い込まれた佐久間製菓ですが、廃業前に「番頭(役員)」の立場にいた「横倉信之助」という人物が、戦後の再興を依頼され、元々本社のあった東京・池袋に工場を再建しました。
この時に佐久間製菓のシンボルマークは「世界の海に向かって」をイメージする「ヨット船」となりました↓
ヨットは貿易船を表し、菱形の三本の線は日本の三大港(横浜・神戸・長崎)を表しているそうです。当時は外国からの輸入がメインだったドロップを今度は日本から海外に輸出する!という気概が込められていた、と言います。
佐久間製菓元社長の山田弘隆の三男、1948年「サクマ製菓」を興す
横倉信之助が「佐久間製菓」を再興した頃、戦火の中で佐久間製菓の社長に就任した山田弘隆の三男が父の意志を継いで、サクマドロップの製造を再開。
「サクマ製菓」を東京都渋谷区で興しました。
「サクマ製菓」と「佐久間製菓」ドロップの製造と商標をかけた裁判へ
ほぼ同じ年に同じ名前(正式には「カタカナと漢字」)の会社が誕生し、どちらもサクマドロップを作るとなると問題となるのが「商標」です。
- 佐久間製菓・サクマ製菓を名乗ってもいいのか?
- ドロップをどちらが作るのか?
- サクマ式ドロップスの商標はどちらが取得するのか?
この辺りを明確化するために、2社は裁判を起こします。
裁判の結果
裁判の結果、
「サクマ式ドロップス」の商標を勝ち取ったのは戦後に再興した「佐久間製菓」でした。
しかし、サクマ製菓が全くの不利だったかというとそうではありません。サクマ製菓はそのままの社名「サクマ製菓」を名乗ることを許可されたのです。
こうして2つのドロップが誕生する
佐久間製菓は今まで通りの商標「サクマ式ドロップス」の販売をしました。
そして、「サクマ製菓」は新たに「サクマドロップス」を販売しました。
こうして超名前がそっくりな「サクマ式ドロップス」と「サクマドロップス」が誕生したのです。
創業者である佐久間惣治郎の生み出したサクマ式ドロップスが、多くの人に愛される味であったからこその裁判、そして後世にサクマ(式)ドロップの味を伝えたいという熱い思いがあったからこその出来事だったのだと思います。
どちらもロングセラーのドロップですが、そんなストーリーがあったと思うと一粒一粒の重みが変わって感じますね。
【余談】で、今儲かってる会社はどっちなの?
すっごい下世話!
こういう展開になるとね・・・気になるんですよ‥‥すみませんすみませんすみません
佐久間製菓株式会社 | サクマ製菓株式会社 | |
---|---|---|
代表取締役 | 横倉信夫 | 山田隆男 |
資本金 | 2,976万円 | 3,900万円 |
従業員数 | 101人 | 150人 |
売上高 | 21億円 (2006年9月期) | 45億円 (2008年3月期) |
売上高でいうとサクマ製菓さんの方が倍以上という結果でした。しかし公開されているのが2006年と2008年とかなり古めの情報だけなので、今現在は分かりません。
ただ、サクマ製菓さんはサクマドロップスの他にも「いちごみるく」という看板キャンディーがあるし、販売している商品数も多いです。
出典:サクマ製菓株式會社公式サイト
それに対して、佐久間製菓さんの方は「サクマ式ドロップス」の他は「火垂るの墓」とコラボしたドロップスの他、あまり有名なアメは出ていなさそうな印象でした。
火垂るの墓コラボ↓
サクマ式ドロップスのスピンオフ(?)みたいなのは色々あるんですけどね。
佐久間製菓株式会社のアメ↓
スーパーフードのど飴・・・とかやや迷走しているのでは、と思ってしまうのですが、大丈夫でしょうか。。
「サクマ式ドロップス」のドロップスを紹介
それではいよいよサクマ式ドロップスの紹介に入りますね。
SINCE1908の文字。そしてシンボルマークであるヨット船のマークが描かれています。
ちなみにこのテープを剥がすと・・・↓
「開封済」の文字が残るようになっています。
いつもこのテープを剥がす時に「なんでキレイに剥がれないんだろ・・・」と思っていましたが、開封を知らせる意味がちゃんとあったんです。
気が付かない方が不思議・・・
開栓の仕方
開栓方法は人によって様々ですよね。
お金を使う人、スプーンを使うという人・・・。
私の場合はハサミがマストアイテムです!
硬くてテコの原理で動かせるものなら何でもOKです。
蓋が開きました。いい香りが漂ってきます~♡
サクマ式ドロップスは全体的に白いヴェールをかぶったような姿が特徴的です。
対して、「サクマドロップス」は透明感のある見た目↓
By B9hetare – Photo by B9hetare, CC 表示-継承 3.0,Link
透明感のある容姿。見た目だけだとサクマ製菓さんに軍配が上がりそうです。
また、サクマドロップスはフルーツの味8種類なのに対して、サクマ式ドロップスはチョコ味やハッカ味も入った8種類になります。
イチゴ、レモン、オレンジ、パイン、リンゴ、ハッカ、メロン、スモモ
イチゴ、レモン、オレンジ、パイン、リンゴ、ハッカ、ブドウ、チョコ
気になったのはサクマ式ドロップスもサクマドロップスも「ハッカ」の原材料が分からないということ。あのメントール感はどこから出てるのでしょうか・・・。
味は色別になっている
例えばこの黄色でレモンの形をしたアメ↓
レモン味です。
しかし同じレモンの形をしていても、白色は・・・↓
パイナップル味です。
サクマ式ドロップスは形ではなく色で味が違います。
実食
全種類の味を食べてみました。
イチゴ味
酸味が強く、すっきりとした味わい。甘さは控えめ。
レモン味
レモンの酸味が唾液を刺激するほどフレッシュ。鼻を抜けてレモンの香りが広がります。
ぶどう味
サクマドロップスにはない味。巨峰系のぶどう感に甘味がプラス。酸味が強めでフレッシュな味。
パイナップル味
華やかなパイナップルの香りが口いっぱいに広がります。パイナップルばかり選ぶ人も多いほど。
オレンジ味
全体を通してクエン酸を使っているためか酸味が強め。オレンジもフレッシュな酸味がお口いっぱいに広がります。
りんご味
どこまでもフルーティ。香りがよくて舐め終わりにはりんごを食べた後味にも似ています。
チョコ味
サクマドロップスにはないチョコ味。フルーツ味にちょっと飽きた時におすすめ。甘味が強くて硬いチョコを食べてるような感覚です。
ハッカ
ハッカ味は「いらない」「残す」という人も多いですね。甘さで疲れた口にハッカを入れるとリフレッシュできますよ。でも他社さんのハッカに比べるとちょっと甘め。
アメッコの評価
甘さと酸味のバランスが神!
さすが、明治時代からの歴史のある味。どの味も飽きが来ず、いつまでもなめ続けたい味です。ハッカとチョコ味については賛否両論ありますが、個人的にはどちらも必須。
フルーツ味のスッキリしたのもいいけれど、たまにこってりと甘かったり、スキっとしたくなるんです。
1缶食べている内に、そんな「箸休め」的な存在が欲しくなります。
メーカー | 原産国 | 価格 | 容量/1袋 | カロリー | 1粒の持ち |
---|---|---|---|---|---|
佐久間製菓株式會社 | 日本 | 150円 | 75g(25粒) | 391Kcal (100g当たり) | 約9分 |
砂糖、水飴、果汁(りんご、オレンジ、ぶどう、いちご、レモン、パイナップル)、カカオマス、酸味料、香料、着色料(アントシアニン、クチナシ、紅麹、パプリカ色素)
原材料は比較的シンプル。着色料も自然由来で嬉しいですね。
個人的にはサクマ式ドロップスもサクマドロップも甲乙つけがたい美味しさです。どちらも前身は一緒の会社。今後も美味しいドロップスを作り続けて欲しいと思います!
このドロップはどっちの会社から販売されてるの?
ドロップスって色んな種類の缶を見かけるようになりましたよね。そこで佐久間製菓なのか、サクマ製菓なのか、はたまた全然知らない会社なのか。まとめてみました。
佐久間製菓のドロップス
のど飴タイプ。謎のスーパーフードてんこ盛りのドロップスです。
興味本位で一度食べてみたい気がしています。。
サクマ式さくらドロップス。
サクランボ味のみ!色が桜色でかわいいです!
サクマ式ハッカドロップス。
なんと、いらないと言われまくってるハッカ味だけが入ったタイプです!
こちらは非常時用のドロップス。消費期限になってもアメ同士べた付くことがなく、そのまま。リピ者も多いです。
サクマ式ドロップスのヒット商品ですね。火垂るの墓とのコラボ缶が話題を呼びました。
実は佐久間製菓さんではムーミンとのコラボ缶も販売していた時期があります。今は販売していないようです。
サクマ製菓のドロップス
こちらはサクマドロップス発の非常用ドロップス。
分かりやすいパッケージです。保存期間は5年間。
福岡限定のあまおう苺味。
こちらはハローキティとのコラボ缶。イチゴ、メロン、ピーチ、レモン、パイン、アップル、グレープ、オレンジの8種類の味をたのしむことができます。
SNSなどで話題のマンガ「タヌキとキツネ」のコラボ缶。
ん?ドロップ・・・?
実はこちら、サクマドロップス線香。
いちご、りんご、メロン、オレンジの4つの味がお線香になってしまいました!
えー…なんで線香??
この線香、「故人の好物シリーズ」と言います。甘いものが好きだった故人に向けてお線香で甘い香りを届けましょう、というのがサクマドロップス線香誕生の理由のようです。
色んなサクマ式ドロップス・サクマドロップスが販売されていたんですね。今後のコラボ缶や新製品も楽しみです!
サクマ式ドロップスの世間の評判は?
TwitterやInstagramでサクマ式ドロップスがどんなふうに評価されているのかをまとめてみました。
#サクマ式ドロップス の季節限定 さくらんぼ味が出ていたので、可愛い♪と思って買ってみたのですが、開け方がわからず、缶にも書いていないので検索してしまいました…。
結論から言うと、10円玉などで「てこの原理」のように押し上げると、簡単に空きます。
ネットがなかったら、どうしてたかな? pic.twitter.com/8zKuyUatQK
— ひらはらあい◆Photographer (@hiraharaai) 2019年3月20日
ハッカだけ舐められなくて
いつも残してしまう、、、。#サクマ式ドロップス https://t.co/ioFYrUN3RX— ゆっこ(フィルフリーク) (@positive_yukko) 2016年11月19日
アニメ #だがしかし の影響なのか、最近ダイソーさんでもキャンドゥさんでも見かける #サクマ式ドロップス ♡
節子、 #ハッカ が一番好きやねん(((o(*゚▽゚*)o))) pic.twitter.com/8mIAcouO7y
— Molly(もーりー)💙 (@queenpinkpink) 2016年5月13日
意外にもハッカファンがけっこう見受けられました。
皆さん、サクマ式ドロップスは「懐かしの味」として大切にされている印象でした!
まとめ
現在、サクマ式ドロップスはサクマドロップとは違うメーカーだけど、元々は同じ1人の男の情熱から生まれた味です。
どちらも美味しくて、見た目もかわいくてキレイ。
ずっと食べ続けていきたい。自分の子供にも伝えていきたい。
そんな幸せなお菓子の一つだと思います。もしどこかでサクマ式ドロップス(サクマドロップスでも)を見かけたらぜひ一粒食べてみてください。
ふわっと優しい気持ちになること間違いなしです!
アメッコ
最新記事 by アメッコ (全て見る)
- 【数量限定・塩スイカアメ】パインアメ発の塩スイカアメがTwitterで話題! - 2019年8月1日
- 不二家のミルキーは一袋に小ネタ満載。おみくじ、レア包み紙とは?歴史や味も紹介 - 2019年7月23日
- ファミマ限定!塩ライチアメがTwitterで話題。レアパッケージとは。 - 2019年7月12日
- 【北見ハッカ飴】ハッカ飴中毒さん必舐!おすすめしたいハッカ飴No.1! - 2019年7月3日
- 【オリジナルグルメ】アメリカ発のビッグロリポップ!全29種類と一番人気を紹介! - 2019年6月25日
コメント よかったらコメントをどうぞ!